Short Story「鳥になりたいと願った人」

「鳥になりたい」
と願ったことがある人は、
少なくないと思う。

鳥が象徴するのは、「自由」。

好きな時に好きな場所へ羽ばたき、
好きな時に羽を休める。

そんなふうに、
自由に、生きたい。とー。

人間関係のしがらみや、
想像を絶するほどの苦痛、制限、不和、
自分自身からの逃亡。

叶わぬ夢だというのに、
あぁ、今までどれだけの人が
「鳥になりたい」と思ったことだろう。

そう思いつつ、
一つの疑問が頭をよぎる。

鳥になれば、すべてが解決するのか?

・・・一見そうにみえる。

自由を求める人にとって、
自由になりたいと思うのは自然な欲求だ。

自由になれば、
すべてが素晴らしく思える、と。

でも、本当にそうだろうか?

本当に鳥になることを、
自由を、求めているのだろうか?

鳥になったとして、
願いは叶えられるのか?

事実、そうであれば、
とっくに鳥に変身した人たちが大勢いるはずだ。

強く願えば、
100%そうなると信じれば、
そうなれるもの。

でも、たぶん、魔法のように
人から鳥になった人はいない。

少なくとも、
わたしはその事例を聞いたことがない。

人は鳥にはなれないのだ。

人が花にはなれないし、
人が山や海になることはなれない。

物理的に形を変えて、
別の存在になることはできないのだ。

人間に生まれた意味が、
人間として生きたかった理由が、
わたしたちにはある。

それを魂レベルでわかっている。

だから、鳥になりたくてもなれない。

鳥にならずに
人間として生きたかった願いは
生きている限りずっと続く。

もしや・・
人間として生きたかったのは、
自由を選びたかったからではないか?

とわたしは思う。

大空を羽ばたく鳥は、
自分たちが自由であることを
おそらくわかっていないだろう。

自由の中では、
自由であることを理解することができないのだ。

人間は、悩み、もがき、苦しむ。

不安定になり、不自由さを感じる。

でも、それが、本当の願いだったら?

不安定の中で「安定」ということを知り、
不自由の中で「自由」を知ることができ、
不信の中で「自分を信じる」ことを学び、
不満の中で「本当の望み」を発見する。

それが、望むストーリーだったら?

人として生きている理由が
きっとそこにある、とわたしは思う。

みんなを笑顔にする花になりたい。

自由に羽ばたく鳥になりたい。

自由に移動する風になりたい。

みんなを明るく照らす月になりたい。

エネルギー的には、なれる。

自分でいながら、何かになれる。

完全に何者かには「一つ」しかなれない。

それが正解だから。

それが体験したかったことだから。

今日も、唯一無二の存在を楽しませよう。

今日も、生きることを感じよう。

人間らしく、楽しみ、悩み、
喜び、発見し、考え、経験しよう。

それが生きることだから。

それが幸せだから。

それが人間の使命だから。

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アストロロジー研究所
YUMI KUTSUZAWA(KOBE, JAPAN)

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