Short Story

【Short Story】「人生最悪の日」が「人生最高の日」①「人生最悪の日」

13歳。人生で初めて「後悔」した年齢。

全く想像もしていなかった世界が始まった。

 

 

両親から、
沖縄へ引っ越してもいいかと聞かれたとき、
わたしは二言で承諾した。

すでに決定事項だろうに、
どうして反対できるだろう?

 

忘れもしない、12月19日。

慣れ住んだ東京の地を、離れた。

 

ふわっと機体が空に飛び立った時、
すべての楽しかった記憶と分離され、
遠くに、遠くに、離れていく気がした。

どんどん東京とわたしを離していく。

 

身がちぎれそうな思いがした。

いや、実際にちぎれたのだと思う。

 

「もう引き返せないのだ」

そう解った時、思わず涙が溢れた。

 

 

 

わたしはこの決断を、
その後10年近く「後悔」した。

 

 

 

→ ②「第一の関門」